先日の当直の時、

初産婦さんのお産を、

介助させていただきました。

申し送りでは、

子宮口4cmとのこと。

産婦さんのところに行くと、

とても4cmとは思えない、

表情と陣痛の様子で、

全身で緊張しておりました。

すぐさま、

内診をさせて頂くと、

もう子宮口が、

ほぼ全開している状態で、

赤ちゃんの入っている、

袋(卵膜)が、

膣口からのぞいている感じでした。

とはいえ、

初産婦さん。

お産までは、

まだお時間がかかります。

すぐにお産ができるように、

万全の準備は整えながら、

できるだけ、

産婦さんの自由なスタイルで、

楽に過ごせるように。

そして、

お産の経過と、

今後の見込みを説明して、

緊張を取り除き、

リラックスを促します。

まずは、

何と言っても、

呼吸法です。

緊張すると、

痛みが強くなり、

痛みが強くなると、

人は自然に呼吸が止まります。

そして呼吸が止まると、

自然に体は力が入り、

さらに緊張することになり、

緊張は痛みを増強し・・・・・・

と、

悪循環に

なってしまっています。

その、

悪循環を、

断ち切ることが大切です。

呼吸法をして、

リラックスすることで、

陣痛の痛みが和らぐことを、

実感して頂く必要があります。

当直で、

お産をさせていただく方は、

ほとんどの方が、

なぜかしらお産の準備を

されておられません。

ですので、

ほとんどの方が、

とても緊張をしていて、

呼吸法もできていないのです。

一緒に、

呼吸をして、

力が抜けるように誘導して、

それと同時に、

体の力が抜けるように、

タッチングをします。

「痛い〜!」と叫んで、

力を入れている時よりも、

呼吸法を頑張って、

力を抜いた時の方が、

楽だということを

実感していただきます。

呼吸法をした方が、

楽だと実感ができると、

あとは、

産婦さん自身が、

楽になりたいので、

呼吸法を頑張るようになります。

そうなると、

受け持った時とは、

別人のように、

落ち着かれて、

表情も穏やかになり、

リラックスした

状態に変わりました。

そして、

いよいよ赤ちゃんも

下がって来て、

もう少し、

というところで、

お産の準備を始めます。

分娩台を

選択されているので、

できるだけ、

分娩台の上で仰向けになる時間を

少なくしたいからです。

子宮口が全開になったからと、

頑張っていきんだりはしません。

無理にいきまなくても、

陣痛が来た時に、

刺激をされて、

勝手にいきみたくなるんです。

その自然のいきみを感じて、

それに合わせて、

ゆっくりと、

息を吐きながら、

赤ちゃんを

優しく押し出すように、

自分のタイミングで

いきんでもらいます。

そうすると、

無理な力が入っていないので、

会陰部も、

柔らかくなるし、

赤ちゃんが下がってくる、

スピードもゆっくりになります。

ですから赤ちゃんの

頭が出るのに合わせて、

会陰部もさらに伸びて、

初産婦さんでも、

会陰切開をする必要は、

なくなるんです。

Miss.Ooが、

今の病院で当直をさせて頂いて、

100件以上のお産を、

介助させて頂いておりますが、

初産婦さんも含めて、

今までに会陰切開をしたのは、

赤ちゃんの状態が悪くなり、

お産を急いだ方の1件と、

どうしても、

会陰部が伸びない、

高齢初産の方の2件だけです。

この初産婦さんも、

会陰切開をせずお産を終えました。

ただ最後に、

手が一緒に出て来てしまい、

残念ながら、

ほんの少しだけ、

裂傷はできてしまいました。

会陰部を縫うのに局所麻酔も、

必要としないくらいの、

小さなお傷です。

あとで、

赤ちゃんの計測をすると、

なんと

体重が3426g

頭囲が37cmの、

頭の大きな女の子でした。

もちろん母児共に、

とてもお元気です。

このお話から、

知っていただきたいことは、

初産婦さんだから、

必ず会陰切開が必要ではないこと。

助産院でなくても、

会陰切開のないお産はできること。

お産にどれだけ、

リラックスと呼吸法が、

有効かということ。

お産の準備をしていれば、

もっと早くから、

楽なお産になっていたこと。

などなどです。

「鼻からスイカ!」と

言われるくらい、

痛いものだと、

思わされているお産。

ちゃんと、

プロに教わって、

効果的にお産の準備をすることで、

あなたのお産は、

全く違うものになりますよ♪