以前の当直で、

お産の介助をさせて頂いた、

初産婦のA様のお話しです。

A様は、

妊娠高血圧症候群で、

血圧が上昇してきたので、

母体の安全のために、

妊娠を中断する必要がありました。

幸い、

正期産に入っているので、

お産をしても、

赤ちゃんには問題はありません。

状態としては

帝王切開術をしてまで、

すぐにお産をする必要まではありません。

ですから、

まだお産の徴候の無いA様は、

陣痛促進剤を使用して、

陣痛を誘発することになりました。

私が当直で受け持った日は、

陣痛促進剤を使用して3日目でした。

1日目も2日目も、

効果的な陣痛にはならず、

お産に至っていません。

3日目の誘発でも、

それほど効果がなく、

子宮口が3cmの開大から、

変わらないので、

私が受け持ち時には、

陣痛促進剤は中止していました。

それでも、

陣痛促進剤の影響で、

陣痛は収まっておらず、

3~5分間隔で規則的に来ていました。

私が訪室した時には、

類に漏れず、

とても緊張しており、

「痛い!」

「痛い!」

「いつまで?」

「もう無理!!」

と連呼しておりました。

「いつまで?」と言われても、

陣痛促進剤が切れれば、

陣痛は遠のきます。

自然な陣痛が

始まっていたとしても、

まだ始まったばかりで、

お産はこれからです。

まだ子宮口は3cmなのです。

通常は初産婦さんだと、

子宮口が全開(10cm)になってからでも、

赤ちゃんが生れるまでは、

平均して1~2時間かかります。

その子宮口が10cmになるまでの、

3cmなんです。

しかも、

その状態は

朝からほとんど変わっていないんです。

はっきり言って、

お産の経過の3分の1にも来ていません。

「もう無理!!」と言われても、

どうすればいいのでしょうか?

A様が産むしか、

誰も変わることはできないんです。

お産を終えるには、

このまま頑張るか、

帝王切開術をするかです。

ですが医学的に、

帝王切開術をする理由はありません。

要するに、

このまま頑張るしかないんです。

この現状をはっきりと自覚して、

覚悟を持ってもらう必要があります。

私は現状をはっきりと伝えます。

そして、

それなりの覚悟がいることも

はっきりと伝えます。

もちろん、

できるだけ陣痛が和らぐように、

お産が進むように、

どうすればいいかも伝え、

そのための援助もします。

A様はお産は痛くてつらいものだと

思いながらも、

何の準備もしていないのです。

呼吸法すら、

練習していないんです。

なにも、

A様だけが特別ではありません。

ほとんどの方がそうです。

本当にいつも思うのですが、

なぜ準備をしないのでしょうか?

どうして、

どうにかなると思うのでしょうか?

結局、

A様は陣痛が遠のくことなく、

そのままお産が進み、

翌日の、

2:17に、

3.112gの元気な男の子を

お産されました。

お産が無事に終わった後に、

一緒に立ち合っていた

ご主人様に言われました。

「あなたが受け持ってから、

妻が変わりました。

弱音ばかりだったのが、

お産に前向きになりました。

はっきり言ってもらって、

腹が座ったというか、

覚悟ができたみたいでした。」

と。

そして、

A様からも笑いながら言われました。

「最初は『鬼』だと思いました。

でも、

今は本当に優しい『天使』です。

ビシッと言われて、

鬼!と思ったけど、

自分の甘さに気づきました。

そして、

母親であることが自覚できました。」

と。

もっと、

早くに気づいて下さいね。

そうすると、

もっといいお産ができるんです。

そしてパートナーの方も、

しっかりと支えてあげてほしいと思います。

これだけ情報が溢れている世の中で、

お産の情報もいくらでも入ってきます。

自分だけが

どうにかなると思わずに、

お産が始まってから、

覚悟を決めるのではなく、

ちゃんと準備をして、

あなたの理想の

快感を味わえるお産をいたしましょう

 

 

 

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